本研究はNEDOエネルギーITS推進事業「協調走行(自動運転)に向けた研究開発」の一環として開発中の,CO2削減・交通事故低減・輸送コスト低減・ドライバーの運転負荷軽減等が期待されている「高速道路におけるトラックの自動隊列走行システム」に適応可能な先頭車両の前方環境認識アルゴリズムの開発を行っています.このアルゴリズムにより,遠方からの安定した「車両前方の障害物検出」,及び障害物の存在するレーンが自車両の走行するレーンと同一のレーンか否かを判別する「障害物のレーン判定」を目指しています.
本研究では,自動運転システムに適応可能なミリ波レーダを用いた前方環境認識アルゴリズムの開発です.車体前方に設置されたミリ波レーダより取得可能なデータから,周辺に存在する障害物を安定して追跡し,運動推定を行うことを可能にする手法について検討していきます.従来,ミリ波レーダ内部での処理にはカルマンフィルターのような時系列的な追跡アルゴリズムは組み込まれていませんでした.そこで,レーザレンジファインダとミリ波レーダのセンサフュージョンと現在位置と地図を基にした走行レーンの生成を行うことで,「遠方からの安定した障害物検出」と「障害物のレーン判定」の研究を行っています.現在は,飛び出しや積荷落下など突発的な事態を想定した障害物検出及びレーン判定を目指し開発を進めています.